わずか23歳で現役に別れを告げ、指導者の道へ。そして今季、プレミア史上最年少での監督就任。若き知性の一端は、すでに開幕節で証明された。“ヒュルツェラー流”に旋風の予感が漂っている。(原題:[ブライトン新監督の流儀]31歳がもたらす理論と強度)
戦術がチェスのように複雑化する現代サッカーにおいて、いかに選手の思考力を鍛えるかは指導における最大のテーマのひとつだ。かつてイビチャ・オシムは複数色のビブスを用いた練習で話題になったが、脳に負荷をかける手法はさらに進化しつつある。
革新的な理論を持つプレミア史上最年少監督。
その代表例がブライトンの新監督に就任したファビアン・ヒュルツェラーだ。この31歳のドイツ人指揮官はビブスだけでなく、ミニゴールに関しても4、5色を使いこなしているのである。ブライトンが7月下旬に来日したときのことだ。鹿島アントラーズ戦の前日、ヒュルツェラーはビルドアップの練習を公開した。事前に用意したパターンを繰り返す「シャドートレーニング」なのだが、通常と異なるのは赤・黄・白・青という4色のミニゴールが相手FW・MF・DFの背後付近に置かれていることである。
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photograph by Kiichi Matsumoto