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「硬すぎて無理、という声も」なぜ大谷翔平はチャンドラー社製バットを選んだのか?「ジャッジの影響が間違いなくあるはずです」

2024/06/27
宇野社長は大学時代は選手としてプレーし、社会人野球で監督などを歴任。現在は株式会社エスアールエス代表で、チャンドラー社の輸入総代理店を務める
昨季、大谷が日本選手初の本塁打王に輝き、注目を浴びることになったチャンドラー社製のバット。大谷の新しい相棒はどんな“顔”を持つのか。日本の輸入総代理店の代表を務める宇野さんに聞いた。(原題:[チャンドラー社製バットの秘密]家具職人が生み出す“硬さ”)

 昨年2月のエンゼルス・スプリングキャンプ。ケージから豪快に打球を飛ばす大谷翔平の映像を見て、宇野誠一さんは思わず目を見開いた。

「え? これはもしかして……」

 バットの中心にはCのロゴ。間違いない、自らが輸入総代理店を務めるアメリカ『チャンドラー社』のバットではないか。

 大谷はその後、WBCで優勝し、MLBでホームラン王に輝くが、柵越えが飛び出すたびに宇野さんのもとには「チャンドラーのバットについて教えてください」という取材依頼が次々と舞い込むことになった。

 キャリアコンサルタントを本業とする宇野さんが、チャンドラーの代理店を始めたのは2021年のこと。もちろん2年後、大谷がユーザーとなってタイトルを獲得することになるとは知る由もない。

「実は知り合い経由で、当時千葉ロッテに所属していたレオネス・マーティンが『MLB時代に慣れ親しんだチャンドラーのバットを使いたい』と言っているのを知り、そこから日本での代理店を始めることになりました」

 こうして同年、チャンドラーがNPB公認バットメーカーになると、宇野さんのもとにタイラー・オースティン(横浜DeNA)やアリエル・マルティネス(北海道日本ハム)など、アメリカでチャンドラーを使ったことがある外国人選手を中心に20人ほどからオーダーが。そして2年後には、大谷が手にするという予想外の展開に。NPBの日本人選手の多くが興味を示し、約60人から注文が入った。

 宇野さんは「私はチャンドラー社のスタッフではなく、同社もほとんど情報を出していないので推測するしかありませんが」と前置きして、大谷がチャンドラーに変更した経緯について語る。

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photograph by Nanae Suzuki / Miki Fukano

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