こらあかん。
考えれば考えるほど、そう思えてきてしまう。
覚悟をしていなかったわけではない。18年ぶりのセ・リーグ制覇を果たした直後こそ、つい調子に乗って「黄金時代の幕開け」だの「この優勝には再現性がある」などと書き散らかしてしまったが、そもそもはただの一度もセ・リーグを連続して制したことのないチームである。ライバルからターゲットにされる新シーズンが、簡単なものであるわけがない。覚悟は、していた。
案の定というべきか、オープン戦の成績は控えめに言っても「芳しくない」、身も蓋もない言い方をしてしまえば「最低」レベルにまで落ち込んだ。たかがオープン戦。勝敗に目くじらを立てる必要がないのはわかっている。だが、勝率だけでなく、内容まで寂しいとなっては、さすがに気持ちもざわついてくる。
ちなみに昨年のオープン戦の記録をひっくり返してみると、そのときは気付かなかった、しかし後になってみれば大きな意味を持つ記録がいくつか残されている。12球団の中でたった4人しかいなかった“獲得四球2ケタ”選手のうち、2人が大山悠輔と佐藤輝明だった。投手陣を見れば、3試合に登板した村上頌樹が防御率0.00でオープン戦を終えている。
予兆は、あったのだ。
オープン戦球団ワースト9連敗でも、躍動した選手たち。
翻って、今年はどうだろう。期待された野口恭佑や井上広大は二軍に降格した。大竹耕太郎の出遅れも気になる。坂本誠志郎が交代した途端、防御率がガクっと落ちるのも、“第3の捕手”問題を考えた場合、いささか深刻である。
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photograph by Kiichi Matsumoto