昨季、メジャーで自己最多の11勝を挙げた32歳の左腕。花巻東高で「目標」の大切さを学び、計画的に野球に打ち込んできた。このオフにも取り組んだ詳細な投球分析の過程を明かす。
「目標」について強く意識したのは小学校6年生の時だ。
「イチローさんの卒業文集を読んだ時ですね。『プロ野球選手になるためには日本一練習しないといけない』というようなことが書いてあって、僕も目標を立てようと思いました」
菊池が12歳の時、イチローはすでに海を渡り、メジャーリーグで大活躍していた。世界で活躍する人は小学6年生の時にこんな高い志、考え方を持っていたのか、と衝撃を受けた。
日本一、ドラフト1位、メジャーを目指す。刻々と変化した目標
菊池は兄の影響で9歳から野球を始めた。母親にキャッチボールをしてもらったことを今でも鮮明に覚えている。幼い頃から様々なスポーツや習い事をしていたが「ほかのことでは1位になれなくても悔しくなかった。でも野球で負けると号泣するほど悔しかった。野球が大好きだったんです」と振り返る。負けたくない、勝ちたいという思いは、上手くなりたい、強くなりたいという向上心を掻き立て、「プロ野球選手になりたい。そのために誰よりも一所懸命に練習しよう」と野球に取り組んだ。
進路に悩む中学3年生の時に、再び「目標」について学ぶ機会に出会う。
「花巻東の佐々木洋監督に『プロ野球にいける素質はある。ドラフト1位を目標にしよう。メンバー的に(甲子園で)ベスト8はいけるだろう。だからこそ日本一を目指そう』と言われました」
その言葉を胸に菊池は同校に進学し、「手が届きそうな目標ではなく、一見、手が届かなそうなところに目標設定をすること」を学んでいる。
在学中も目標は刻々と変化した。
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photograph by Yukihito Taguchi