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「僕なんかが日本代表でいいのか」鍵山優真17歳が振り返った、ネガティブを消してくれた“羽生結弦の言葉”とは?<独占インタビュー/2021年>
早咲きの桜が街をピンク色に染めた夕暮れ時に、凱旋帰国して隔離中の鍵山優真は、リモートの取材に現れた。高校生らしく、ワイヤレスイヤホンを付け、慣れた様子でカメラの角度を調整する。嬉しそうに語るのは、帰国後の練習内容だ。
「帰国して4回転ループの練習を再開したら、これまでで一番綺麗なループを跳べました。キュッて。動画もありますけど、見ます?」
気持ちはもう、世界選手権のプレイバックではない。銀メダルの感想なんて聞くのが野暮に感じるくらい。若さは、強さである。オリンピックまであと10カ月、この大器はどこまで飛翔していくのか。自らを分析し、可能性を語り出した。
ショート100点超えに「ああ世界で戦えているんだ」。
初めての世界選手権は、コーチの父・正和氏と初めて一緒にいく国際大会だった。ジュニアGPの派遣が決まった’18年夏に正和氏が脳出血で倒れ、海外試合には同行できずにいたのだ。
「ストックホルムの会場はすごく大きなスタジアムだったんですが、まずは『世界選手権の舞台にいるんだ』という嬉しさがあって、そこに親子で来られたことっていうのは何か特別な意味があるな、と感じました。小さい頃からずっと一緒に目指してきた舞台へ、一緒に来られて良かったと思いました」
現地では、メインリンクとサブリンクで氷の質が違った。
「サブリンクで普通に跳べても、メインリンクに行くともっと滑ってジャンプも高く浮く感じでした。ショートの朝、サブリンクでの公式練習ですごく調子が良かったのに、メインリンクでの6分間練習では全然違う感じになって、最初の方でミスが続いたので、ちょっと不安になりました」
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