ソフトバンクから海外FA権を行使した千賀滉大が、メッツと5年総額7500万ドル(約101億円)で正式契約を交わした。メッツはエース右腕マックス・シャーザーに加え、今オフにはジャスティン・バーランダー(アストロズFA)を獲得。ともにサイ・ヤング賞3回の剛腕2人に続く先発3番手として期待される千賀は、新背番号「34」のユニホームに袖を通すと「すごいレジェンド。いろんな話を聞きながら、学ぶという気持ちでここへ来ました」と、笑顔で抱負を口にした。
10球団とも言われた争奪戦の中で、千賀が重要視したのが「勝てるチーム」だった。11月中旬、ニューヨークでビリー・エプラーGMらと面談した千賀に、メッツの本気度は十分伝わった。
実際、バーランダーだけでなく、メジャー屈指のクローザー、エドウィン・ディアズと5年総額1億200万ドル(約138億円)、主軸のブランドン・ニモとは8年総額1億6200万ドル(約219億円)で契約延長に成功した。さらに、先発左腕ホセ・キンタナ(カージナルスFA)ら実績のあるベテラン勢を続々と補強した。
それでも攻勢は終わらず、ジャイアンツ入りが内定していた強打のカルロス・コレア(ツインズFA)に12年総額3億1500万ドル(約425億円)を提示し、大逆転で合意。身体検査の結果、ペンディングとなったものの、空前の大補強を続けた。
年末の時点で、来季の総年俸はメジャー史上最高の3億8400万ドル(約518億円)を突破。ぜいたく税が1億1100万ドル(約150億円)を超えることも厭わず、大富豪のオーナー、スティーブ・コーエン氏はなりふり構わず投資してきた。'20年10月に就任した同氏が目指すのは、'86年以来3回目、自身初の世界一以外にない。
常勝ソフトバンクや侍ジャパンのエースとして大舞台を踏んできた千賀にとっても、重圧のかかるマウンドに不足はない。
「ここで野球をやることに幸せを感じる人間。ファンの方に、アイツは野球を楽しんでいるなと思われる選手で、そして成績を出して歓迎されるような選手になりたいです」
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています