#1066

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「アイツは野球を楽しんでいるなと思われる選手に」メッツ入団時に千賀滉大が語っていたこと《5年総額7500万ドルで契約》

2024/03/04
12月19日の入団会見で笑顔を見せる千賀。年俸に相応しい成績を残し、日米両国でチャンピオンを勝ち取れるか
初出:「Sports Graphic Number」1066号(2023年1月12日発売)

 ソフトバンクから海外FA権を行使した千賀滉大が、メッツと5年総額7500万ドル(約101億円)で正式契約を交わした。メッツはエース右腕マックス・シャーザーに加え、今オフにはジャスティン・バーランダー(アストロズFA)を獲得。ともにサイ・ヤング賞3回の剛腕2人に続く先発3番手として期待される千賀は、新背番号「34」のユニホームに袖を通すと「すごいレジェンド。いろんな話を聞きながら、学ぶという気持ちでここへ来ました」と、笑顔で抱負を口にした。

 10球団とも言われた争奪戦の中で、千賀が重要視したのが「勝てるチーム」だった。11月中旬、ニューヨークでビリー・エプラーGMらと面談した千賀に、メッツの本気度は十分伝わった。

 実際、バーランダーだけでなく、メジャー屈指のクローザー、エドウィン・ディアズと5年総額1億200万ドル(約138億円)、主軸のブランドン・ニモとは8年総額1億6200万ドル(約219億円)で契約延長に成功した。さらに、先発左腕ホセ・キンタナ(カージナルスFA)ら実績のあるベテラン勢を続々と補強した。

 それでも攻勢は終わらず、ジャイアンツ入りが内定していた強打のカルロス・コレア(ツインズFA)に12年総額3億1500万ドル(約425億円)を提示し、大逆転で合意。身体検査の結果、ペンディングとなったものの、空前の大補強を続けた。

 年末の時点で、来季の総年俸はメジャー史上最高の3億8400万ドル(約518億円)を突破。ぜいたく税が1億1100万ドル(約150億円)を超えることも厭わず、大富豪のオーナー、スティーブ・コーエン氏はなりふり構わず投資してきた。'20年10月に就任した同氏が目指すのは、'86年以来3回目、自身初の世界一以外にない。

 常勝ソフトバンクや侍ジャパンのエースとして大舞台を踏んできた千賀にとっても、重圧のかかるマウンドに不足はない。

「ここで野球をやることに幸せを感じる人間。ファンの方に、アイツは野球を楽しんでいるなと思われる選手で、そして成績を出して歓迎されるような選手になりたいです」

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photograph by KYODO
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