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《合言葉は「ストップ、駒大!」》中大は5区に「隠し玉」?…國學院大・平林は「一歩も引かない」【生島淳の箱根駅伝展望】

2023/12/23
左から創価大学・吉田響、國學院大学・平林清澄、中央大学・吉居大和
遡ると、前回の箱根駅伝4区からすべてのレースで先頭を譲らない盤石のパフォーマンスを誇る駒大。強すぎる王者に対して、他の有力校に勝算はあるのか? 捲土重来に燃える要注目の3校にフォーカスする。

「ストップ、駒大!」

 これこそが、第100回箱根駅伝で上位をうかがう大学の合言葉だ。

「駒澤さんにウチの背中を見せるレース展開に持ち込みたいところです」

 そう話すのは最多優勝回数14回を誇る中央大学の藤原正和監督だ。

「出雲、全日本と優勝を狙いましたが、一度も先頭に立つことができませんでした。力不足でしたし、賭けに出たところでうまく運ばなかった部分もあります。箱根では1区から3区に主力を投入して主導権を握る。往路優勝が総合優勝につながってくるはずです」

「湯浅、吉居、中野を男にして卒業させたい」

 駒大を倒せるだけの陣容は揃っている。特に4年生の吉居大和は前々回、1区序盤で飛び出し、そのまま押し切って区間賞。前回は「花の2区」で駒大の田澤廉、青山学院大学の近藤幸太郎とデッドヒートを繰り広げ、「史上最高の2区」を制した。吉居だけではなく、前回3区区間賞の中野翔太、入学時は5000mのタイムが部内でも底に近かった湯浅仁が主将となり、今季の出雲、全日本では主要区間で上位の結果を残すなど、頼れる4年生が中核に座る。

 藤原監督は、この学年に並々ならぬ思い入れがある。

「彼らは2020年、コロナ禍が始まったタイミングで中大に入学してきました。先が見通せない状況でしたが、『この世代で中大の歴史を変えよう』と話した時、彼らの目が生き生きとしたことを覚えています。湯浅、吉居、中野を男にして卒業させたいですね」

 中大の強みについて、トヨタ自動車の現役選手であり、母校の中大で指導にも当たる大石港与コーチはこう分析する。

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photograph by Asami Enomoto / Getsuriku

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