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「ライト級でも、当たれば倒れるな」モンスター・井上尚弥はなぜ“異質の王者”なのか?<独占インタビュー/2018年>

2023/12/26
2018年夏にインタビューに応じた井上尚弥
衝撃のKO勝利で、軽々と3階級制覇を達成。世界にその名を轟かせる「モンスター」はバンタム級でどんな戦いを見せてくれるのか。ボクシングへの愛と壮大な夢を明かした。(初出:Number2018W杯臨時増刊号井上尚弥[特別インタビュー]今までの王者と違う道。)

──5月のマクドネル戦が大きな反響を呼んでいます。さすがの井上選手も初めてのバンタム級、相手が10年間負けていない王者ということで、苦戦の予想もありました。

「フルラウンド戦うことも考えていたし、上背があるからロープに詰めてもパンチが当たらないんじゃないかと想像していました。マクドネルの闘争心もすごく感じてましたね。計量のとき、調印式のとき、雰囲気とか態度とかを見ても、プライドが高く、自信を持っていると感じました。そういう意味では今までの相手とは違いました」

──にもかかわらず、試合は強打爆発でわずか1分52秒で終了。もの足りなかったのではないか、と想像してしまいます。

「結果に対して満足感はあります。ただ、次につながる自信を持てたかと言えばそうではなかった。バンタム級に上げれば相手の耐久性(打たれ強さ)、体力、パワーが上がります。逆に自分のパワーや耐久性がどこまで通用するのか、という問題があって、マクドネル戦ではそれを知りたかった。結果的にあまりに早く終わって、知りたかったことは何もわかりませんでした」

──マクドネルの実力も分からないうちに終わってしまいました。

「そうなんです。自分のバンタム級での実力を分析する上で、そこは知りたかった。マクドネルは減量の影響でフラフラだったのか……。試合が終わってからマクドネルの過去の試合を見直したんですよ。そうしたらマクドネルの動き自体はそんなに変わらなかった。減量はきつかったにしても、1日で12kgも戻してますよね。本当に体調が悪かったら(栄養や水分を)体が吸収しないから、そんなに戻らないと思うんです。だから少なからず調子は良かったんじゃないかと思いました」

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photograph by Emi

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