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國學院大はいかに強くなったのか…前田康弘監督が語る「価値観がぶっ壊された」予選会《箱根駅伝レポート/2019年》
シーズンの幕開けとなる10月の出雲駅伝でセンセーションを巻き起こした。今季、三強と見られた東海大、青学大、東洋大を力で抑え込むと、ラストで“平成の常勝軍団”の異名を取った駒大をかわし、令和初の王者に輝く。國學院大の名前は、学生三大駅伝の歴史の1ページに新たに刻まれた。
ただ、本当のチャレンジはここから始まる。最大の目標は箱根駅伝で“歴史を変える”こと。出雲路で望外の結果を残し、軌道修正したわけではない。3年時から主将を務める土方英和は’19年1月3日の昼下がり、興奮冷めやらぬ大手町で宣言していた。
「次は総合3位を目指します」
前回大会は同校史上初のひと桁順位の7位に入り、7年ぶりにシード権を獲得。チームが喜びに沸くなか、勢い任せで口にしたものでもない。前々から前田康弘監督と話し合っていたのだ。
「前回の箱根前に『8位を目標にします』と報告に行ったとき、監督から3位と言われていたんです。だから、あの日の報告会であえて言葉にしました。初めて耳にした選手が多くて驚いていましたが、チーム全体でやらないといけない雰囲気にしたくて」
就任11年目を迎える41歳の前田監督は選手寮の食堂に張り出されたスローガンの『歴史を変える挑戦』に目を向けると、感慨深そうに口を開いた。大きな目標を掲げるチームは、一朝一夕ではつくれない。
「実はこれ、第2章なんです。やっとまた歴史を動かせるチャンスがきたなって」
第1章の始まりは’10年までさかのぼる。まだ32歳だった就任2年目の熱血漢は、箱根の予選会を想定以上の2位で突破し、本戦に向けて気勢をあげた。
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