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『歴史を変えた挑戦』予選敗退から強豪に成長させた國學院大學監督の「育成論」。

2021/02/16

 名門とは言い難いチームをいかに強豪レベルまで引き上げたのか。本書では、2年前の出雲駅伝で初優勝し、昨年の箱根駅伝でも総合3位に躍進した國學院大學陸上競技部監督の前田康弘によるチーム作りの秘訣が綴られている。

 前田は駒澤大学で主将を務め、初の総合優勝に貢献したが、特別なエリート選手ではなかった。補欠から這い上がった叩き上げである。卒業後も実業団を経て、家業の電気工事会社の現場で汗を流した。ところが、父の急死で会社は閉鎖。そこから陸上競技の指導者として実績を積んだ異色の経歴の持ち主だ。

 前田は、2019年から「歴史を変える挑戦」をモットーに、3年生の土方英和(現ホンダ)を主将に据える改革を行った。3年生主将は例がない。最上級生から批判が出ても、前田の熱意に押された選手たちは結束し、確固たる結果を出した。出雲駅伝での快挙だけでなく、箱根でも今年で3年連続シード権を確保し、安定感も増した。

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photograph by Sports Graphic Number

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