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「君たちは“幸せなカエル”を見たか」天性のムードメーカー・牧秀悟、県大会“初戦負け”の謎を追え!【異次元の大食い伝説も】

2023/08/05
これまで多くは語られてこなかった世界一のムードメーカーの高校時代。甲子園を期待されながら2年連続の初戦敗退。その真相を解明すべく蛙鳴く信州へと向かった。

「高校時代のことを、秀悟が話しているところって見たことないですね。僕らも未だにちゃんと話をしたことはないですから」

 オールスターで岡本和真が牧秀悟の顔面Tシャツを着てホームラン競争に優勝した日。長野県北部の須坂市では、牧の記念Tシャツを律儀に着こなしたかつての松本第一高校のキャプテン、宮崎大瑚が旧友に想いを馳せていた。

 牧の高校時代の情報は極端に少ない。なぜなら牧の夏は2年生、3年生ともに県初戦でノーシード校に敗退しているからだ。

 松本第一が弱かったのか。いや、むしろその逆だ。歴代最強と言われたこの時代。2年生の牧が4番を打っていた2015年の夏は第4シード。翌年は春の長野県大会を優勝し、第1シードを取りながら敗れてしまう2年連続での大番狂わせだった。

「本当に、夏はこわいです。いまだに悔しいし、申し訳ない気持ちにもなります。でも3年間、メンバーと濃密な時間を過ごすことができた。笑って、泣いて、怒って。秀悟は今と何も変わらない。いや、変わりようがないんじゃないですかね。どんなデカい舞台でも、相手が誰だろうと動じない。昔から“打ってほしい”という場面では、絶対に秀悟は打つ。場の空気を盛り上げ、貪欲で、向上心の塊で、仲間思いで、歌って、踊って、一発芸。裏表なく、あのまんまですよ」

宮崎大瑚 牧とチームを牽引した主将。同級生の活躍に負けじと、会社を辞めて次なる挑戦の準備中 Asami Enomoto
宮崎大瑚 牧とチームを牽引した主将。同級生の活躍に負けじと、会社を辞めて次なる挑戦の準備中 Asami Enomoto

 宮崎と牧は長野若穂リトルシニアからの旧友だ。牧は小学生の頃から本塁打53本を放ち近隣で知らぬ者はいない有名人。ベイスターズでは、昨年24歳の誕生日にその落ち着きぶりから「42歳」と祝われたが「確かに中学1年生のときも30代ぐらいの貫禄がすでにありました」と笑う。

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photograph by Daigo Miyazaki

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