NumberPREMIERでは箱根で“5強崩し”を狙う帝京大学を徹底解剖。近日中に、島田晃希選手(4年)、楠岡由浩選手(3年)の動画インタビューも公開する。
「練習で言われたタイム以上にやるのが楠岡なんですよね。練習を破壊する、いい意味で。レースでも破壊できるっていうことは強みでもあるし、勝ち負けにこだわる、勝ち切ってくるのは大きいですよね」
楠岡由浩(3年)について、中野孝行はこう話す。
今季、出雲1区区間3位、全日本では2区で佐藤圭汰(駒澤大)に並ぶ区間タイ記録で区間賞を獲得。11月15日の日体大長距離競技会(NCG)では10000mで27分52秒09をたたき出し、大学初の27分台ランナーになった。レースを見ていると、記録やタイムだけではない強さ、まさにレースを“破壊”して流れを変える力を持っている。
1年目は故障が多く練習が積めなかったというが、2年目に練習を継続できるようになると、3年目の今シーズンは「思い切った練習ができるように」なり、花が咲きつつある。“帝京大学初の13分台ランナー”として期待を背負って入学し、ようやく持っているものを発揮できてきた印象だ。

帝京大学には楠岡のようにタイムを持って入学してくる選手は決して多くない。これまでも13分台は楠岡ただ一人で、高校時代はチームの主力ではなかった選手も多くいる。それでも箱根19年連続出場を果たしている“強さ”の背景には、何があるのか。
「例えば料理で言うと、いい肉とかいい野菜でも調理の仕方が悪かったらまずいものになる。誤解しないでもらいたいけど、腐ったものだったらどうすることもできない。ただし、わからないだけなら、いくらでも変えることができる。だから、彼らが持っているいいところを探すことかな。もう1つは、できない理由を探すんじゃなくて、できる方法、彼らが伸びる方法を探してあげること。マニュアルはないなって感じています」
選手が強くなっていく過程には、チームの環境、学生間の雰囲気も重要な要素となることは言うまでもない。出る杭でも打たれず「どんな選手でも受け入れる」チームの雰囲気や、さらに踏み込んだ育成への考え方、「スポーツを嫌いになってほしくない」という想いまで、動画インタビューでは語っている。

帝京は、特定のエースに頼る駅伝をしない。箱根の区間配置も、12月29日、エントリーのその日まで、さらにはレースの朝の当日変更の瞬間まで悩むという。この柔軟性に、勝つためのあらゆる可能性を最後まで手放さない“世界一諦めの悪い”監督の姿がある。そのほか、動画インタビュー後半では、以下のことを“中野節”で語っている。
- 「最後は自分で生きていかないといけない」主体性を学生に渡す指導
- 帝京の「どんな選手も受け入れる」文化
- 楠岡由浩の成長「勝ちにこだわる」
- “山中の代わり”ではなく「全員が固有名詞に」
- チームは「マネージャーもメディアも全員がクルー」
- エースに頼らない区間配置
- 「できない理由より、できる方法を探す」帝京の育成方法
- 「やるか、やるか、もっとやるか」
帝京大学の強さを育む土壌について深掘りしたインタビュー、ぜひご覧ください。中野監督へのインタビュー前半はこちらから。(11月12日取材)
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