#822
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「ダイスケが隣にいるとほっとする」パトリック・チャンが語る“日本のライバル”と“不調”【インタビュー/2013年】

昨シーズンは、出場したほぼすべての大会で優勝を飾り、「絶対王者」として圧倒的な存在感を見せつけていた。そんな彼がいま、演技に精彩を欠き、自信を失っている。不調の原因とは何か、ソチに向けていかに準備しているのか、さらには日本人選手の印象についてまで、赤裸々に語った。(初出:Number822号[特別インタビュー]パトリック・チャン「スランプが僕を強くした」)

 2013年1月19日、カナダのオンタリオ州ミシサーガで開催されたカナダ選手権で、パトリック・チャンは大方の予想通り優勝した。彼にとって今年で6年連続となる、カナダタイトルである。

 試合の翌日、インタビューに応じたチャンはこう語った。

「SPの演技と結果には、満足しています。ただフリーは、最後まで集中しきれなかったのは残念。練習では3アクセルがうまくいっていたから、試合でもきちんとできることを証明したかったのに。それとルッツはジャンプの入り方を変えようと思っています」

 彼が言うように、フリーでは4回転を2度成功させたものの、好不調の波がある3アクセルにはついぞ挑まず、後半のフリップで転倒した。それでも今現在、カナダ国内にチャンを脅かすレベルのライバルはいない。そのことは、本人もよくわかっていたに違いない。

 チャンはクリスマスから新年にかけてハワイで2週間近い休暇をとったのだという。

「GPシリーズが終ってから、気持ちを切り替える必要があったんです。来季は五輪があるので、バカンスをとる時間はない。でもときには気分転換をして、心のバランスを整える必要があります。気持ちが良くなれば、調子も上がってくるだろうと思って」

 何となく言葉に力が入らず、言い訳がましくてチャンらしくないコメントだった。これまでどれほど試合でミスをしようとも、出てくる言葉は楽観的で、言葉の端々にほとばしる自信を感じさせた。シーズンはじめには、練習中の4回転サルコウ、4回転フリップもカナダ選手権ではぜひ試したい、と強気の発言をしていた。だがそのことについて触れると、こう答えた。

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photograph by Takao Fujita

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