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松坂大輔「不安で自滅した2年夏のY校戦」(連載9)

2022/07/28
無念の逆転サヨナラ負け。試合後、溢れる涙を抑えきれなかった松坂
2年生エースとして甲子園まであと2勝に迫った、県大会・横浜商戦。1点リードで最終回を迎えたが頼みの主将は負傷交代し、不穏な空気が立ちこめる。

 1997年夏の神奈川県大会。横浜は2年生の松坂大輔をエースに据えて、2年連続の甲子園出場を目指していた。準々決勝の相手は前年秋に敗れてセンバツ出場を断たれた東海大相模。しかし試合は7回表までに9-0と、意外な大差がついていた。

◆◆◆

 この試合、僕は6回までノーヒットピッチングを続けていたんです。でも7回にそれが途切れます。きっかけは試合の途中、セカンドの守備固めに入っていた常盤(良太)のエラーでした。何でもないゴロだったのに、バッター(廣浜稔)の足が速くて焦ったみたいです。その直後、榑松(直記)さんに左中間へ2ランホームランを打たれてしまいました。高校時代、僕は公式戦でほとんどホームランを打たれていなかったんです(他には高2の春季関東大会1回戦、藤代紫水の堤健治に打たれたホームランのみ)。だから僕、今でも常盤に言いますよ。

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photograph by AFLO

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