ダニエル太郎が全豪で元世界1位のアンディ・マリーを破る殊勲を立てた。10代半ばから拠点を置いたスペイン仕込みの粘りが身上だったが、そのイメージを覆す積極的な攻めが金星を引き寄せた。
「今のままでも力がつけば上がっていけると考えていたが、やっぱり違う。自分の武器が出てこないと130位の人にも勝つのは難しくなる」
こう話したのは4年前。堅実さだけではじり貧になる、回り道をしてでも攻撃的なテニスに脱皮しようと決めた。その'18年にツアー初優勝を果たす。同じ頃、動物の動きを模した奇妙なエクササイズをSNSの動画で公開した。身体能力の開発が目的で、総合格闘技の選手を参考にしたという。それでも、攻撃型への転換は容易ではなかった。昨年の全米では「ポイントを早く終わらせる」速攻を試みたが、空回りした。どう攻めるか、また、とりわけ難しいのが「いつ」攻めるかの判断だ。どうやってこれを会得したのか。
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photograph by Hiromasa Mano