1976(昭和51)年、カナダ・モントリオール五輪は、女子体操選手、ナディア・コマネチの大会のごとくもあった。「白い妖精」は圧倒的な演技で10点満点を連発、個人総合優勝を果たした。
本書は、東欧・共産圏の小国、ルーマニアに育った彼女の、波乱に富んだ歳月を記した自伝的回想記である。
幼い日、体操教室と出会う。「心の内に秘めておくたち」の少女は、「ただうまくなりたい」と思って努力した。「コマネチ・サルト」や「コマネチおり」も数えきれない失敗から生まれた。国内およびヨーロッパ選手権を制して五輪へ。モントリオールは14歳の日。あまりにもはやく頂点を極めたことが波乱のはじまりであったのか。
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