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『ウサイン・ボルト自伝』 野生児からスターへ。 とてつもない才能の源流とは。

2020/08/16

 地図で見るとキューバの南、カリブ海に浮かぶマンゴー状の小島がジャマイカである。鉱物ではボーキサイト、農産物ではヤムイモ、ココナッツ、バナナが特産とあるが、もう一つの“特産”は陸上のスプリンターであろう。

 近年、“原産地”を含め、ジャマイカ出身の走者は数多いが、ウサイン・ボルトは傑出している。五輪では北京('08年)、ロンドン('12年)、リオ('16年)の100・200メートルで3連覇。100メートル9秒58('09年、ベルリン世界選手権)は燦然と輝く世界記録である。本書はその自伝の翻訳である。

 少年期の回想から浮かぶのは野生児という言葉である。畑や森を素足で走り回り、小川の水をバケツで運んで家庭用水用のドラム缶に溜め、腹が減れば「ひょいと手を伸ばして」ぶら下がっているバナナを食べたとある。

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photograph by Sports Graphic Number

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