名バイプレーヤーがスパイクを脱ぐ。明神智和、41歳。J3長野パルセイロで3シーズン目を終え、契約更新のオファーを断って引退を決断したという。
彼を語るにおいてはフィリップ・トルシエが日本代表を率いた際に表現した「8人の明神と3人の個性派がいればチームは完成する」が最もしっくりくる。戦術に忠実で、一切手を抜くことがない。ムラもない。“計算できる人”はどこにいっても重宝された。
胸に刻んだ試合がある。
2001年3月、アウェーで臨んだフランス戦。雨のなか、前回のワールドカップ覇者にまったく歯が立たなかった0-5の完敗劇は「サンドニの悲劇」と称された。右サイドで出場した明神も途方に暮れるしかなかった。
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