#1133

記事を
ブックマークする

「ピンボールのごとく混沌を呼び」「磨いたスキルや守備の罠を飛び越え」ロングスロー2本で2点を挙げ、天皇杯を制した町田ゼルビアの“ロングスロー”に胸が踊る理由

2025/12/17
昨季、町田に加入した林幸多郎。天皇杯決勝でも得意のロングスローから先制点を演出した

 その勝利に不思議はない。よく勝つ人は、勝手を知るスタジアムの決闘に臨み、割り切り、信じ、心のスキにスペースを与えず、したたかさとたくましさは削り合わぬのだと、3-1のスコアをもって示した。

 町田ゼルビア、天皇杯優勝。

 元教員、黒田剛監督はJリーグの指導歴3シーズン弱にして伝統の大会を制した。

「立ち上がり15分で決まる」

 戴冠直後のインタビューでは、対ヴィッセル神戸に際しての心構えを明かした。そう。サッカーでもラグビーでも「最初にギョッとさせる」ことが挑戦者の必勝法なのだ。わけても高校生においては顕著であり、総合力で上回る側もいきなり激流に呑まれると、なかなか対応できない。15分の圧倒とは、すなわち90分の心理的主導権獲得にも等しい。

特製トートバッグ付き!

「雑誌+年額プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by AFLO

0

0

0

この連載の記事を読む

もっと見る
関連
記事