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《現地語を話せるだけでは不十分!?》サッカー強豪国ではスタンダードな語学力&競技力アップの教育法“言語技術”って何だ?「相手の動きが即座に言葉で浮かぶように」
「スキルとして、外国語の習得は大切です。でも、それだけでは足りません。アスリートが海外で結果を残すには、論理的思考と批判的思考、そしてそれらを含む『言語技術』が必要になります」
「つくば言語技術教育研究所」代表の三森ゆりかは、思考を論理的に組み立て、相手が理解できるように分かりやすく表現する「言語技術」の普及・向上に努めてきた。その背景にあるのは、三森が10代の4年間を当時西ドイツの首都ボンで暮らした際、そこで通った学校で“壁”に直面したことだ。
「ある程度ドイツ語を話せるようになっても、クラスの議論に参加できないのです。宿題の小論文を提出しても、先生からは、『感想はいらない。あなたの考えを論理的に書きなさい』と言われるばかりで……」
アジア人差別だ、と落ち込んだこともあった。しかしそれは大きな誤解で、そもそも日本とドイツでは教育の本質が違う、だから苦労したんだ――と気付いたのは、三森が大学生になってからだった。
三森はドイツの母語教育に着目して独自のカリキュラムを開発。'02年に『論理的に考える力を引き出す』(一声社)を著した。その後、日本サッカー協会(JFA)前会長の田嶋幸三からコンタクトがあった。
「田嶋さんは'80年代に西ドイツのケルンスポーツ大学に留学していました。そこで10歳の子どもに『なぜあのプレーを選択したの?』と質問すると、証拠を示しながら説明できることに感銘を受けたそうです。なぜ西ドイツの子どもたちは論理的にサッカーを説明できるのか? その答えを探していた時に私の本を読んで、連絡をくれました。実は……田嶋君とは、中学校の同級生なんです。私は結婚して姓が変わっていたので、実際に田嶋君と再会したら、『お前だったのか!』って驚いていました(笑)」
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