今からちょうど六十年前のことだ。
ロシアはエカテリンブルク(W杯で日本×セネガルが行われたロシア第四の都市)にある、ウラル工科大学に所属する学生らが雪山で遭難し、トレッキングに参加した九人全員が死亡した。
彼らの死の状況は実に奇妙だった。テントの前にブーツを置いたまま、暴風が吹き荒ぶマイナス三十度の屋外へ、ロクな防寒具も身に纏わず飛び出し、テントから一・五キロほど離れた地点で次々と発見されたのである。その死体はさらに奇妙だった。衣服を失った者、やけどした者、舌がなくなっていた者、頭蓋骨が砕かれていた者、衣服から多量の放射能が検出された者――。
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by Sports Graphic Number