#980

記事を
ブックマークする

『死に山』 あの「ディアトロフ峠事件」を、 “身近な悲劇”に感じられる一冊。

2019/06/25

 今からちょうど六十年前のことだ。

 ロシアはエカテリンブルク(W杯で日本×セネガルが行われたロシア第四の都市)にある、ウラル工科大学に所属する学生らが雪山で遭難し、トレッキングに参加した九人全員が死亡した。

 彼らの死の状況は実に奇妙だった。テントの前にブーツを置いたまま、暴風が吹き荒ぶマイナス三十度の屋外へ、ロクな防寒具も身に纏わず飛び出し、テントから一・五キロほど離れた地点で次々と発見されたのである。その死体はさらに奇妙だった。衣服を失った者、やけどした者、舌がなくなっていた者、頭蓋骨が砕かれていた者、衣服から多量の放射能が検出された者――。

特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Sports Graphic Number

0

0

0

前記事 次記事