強者が勝てるわけではない。それが今季のルールだ。平昌五輪後の大幅改正で試合の様相は一変し、「ルールに沿った得点稼ぎ」がより重要になっている。五輪連覇の羽生結弦にとっても、9月下旬の初戦オータムクラシックは洗礼を浴びる場となった。
羽生は今季オフに「今季は勝ち負けに固執しない」と宣言し、試合に臨んでいた。そして本番では、一見するとショートはパーフェクト、フリーもミスは転倒1本だけという見事な演技を披露。しかし、総合260点台とスコアは伸びなかった。理由は「得点稼ぎの戦略」をとらなかったことに尽きる。
まずスピンの失点が多い。今季は「基本姿勢」の回転数チェックが厳しくなったが、ショートのシットスピンでは「座る」姿勢が不完全で0点に。フリーでは「難しい姿勢」を次々と変化させたが、「基本姿勢」での回転が足りずに2つのスピンで減点されている。
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photograph by Yukihito Taguchi