たかが髪の毛の色が、国を一つにすることもある。そんな思いに駆られたのは、3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を見たときだった。
決勝で米国に敗れたが、2大会連続準優勝に輝いたプエルトリコ代表選手の頭の毛は、揃いも揃って金髪に染められていたのである。
きっかけは大会前のアリゾナ合宿。若手選手が金髪に染めているのを見た主将でチームの精神的支柱でもあるヤディアー・モリーナ捕手(カージナルス)が「全員で金髪にしよう。兄弟の結束を固めることができるんじゃないか」と提案して、ナインがそれに従った。
そこからプエルトリコの快進撃が始まり、カリブ海に浮かぶ人口367万人の母国ではまずリトルリーグの選手たちがまね、地元ファンも次々と金髪に染めだした。
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photograph by KYODO