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正しさとは冷たさでもある。~間違えない機械と、間違える人間の審判はどちらがスポーツ的か~

2017/07/11

 電話ボックスに若者が詰まっている。尻と尻のあいだに顔がある。変なところに突き出た腕と脚が交差している。米国の大学生の馬鹿騒ぎだ。昔、そんな写真を見た。若者向けの雑誌に載っていた。

 ラグビーのゴール前で大男どもが折り重なる。トライか。そうでないのか。いつも「電話ボックスにさて何人?」が思い浮かぶ。

 レフェリーが膝を折り、楕円球が芝に着いたか確かめようと試みてあきらめ、両手の指で四角を示す。モニター画面のつもりだ。

 TMO。テレビジョン・マッチ・オフィシャル。映像をスロー再生、別室の担当審判がストップ画像もまじえミクロの成否を解明する。国際試合の場合、仮に得点を認めるなら「ユー・メイ・アワード・ザ・トライ」という決まり文句を主審に無線で告げる。2001年からテクノロジーの使用は認められ、すっかり定着した。

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photograph by Getty Images

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