ネット越しのカナリア色の配列は間違いなくブラジルである。北京、ロンドンの両五輪で金メダル。少なくない主力を欠いていたとはいえ、それでも女子バレーボール界にそびえる塔だ。
ワールドグランプリ仙台大会、日本はそんな強国を6年ぶりに破った。3-2。感激の選手の輪の外には、はしゃがず、照れてこわばるのとも違い、静かに手応えを確かめる監督の表情があった。
中田久美。この人の生き場所はやはり勝負の最前線だ。後出しで書けば、2006年秋、当時所属していた東京・表参道のタレント事務所で話を聞いたら、どこか居心地がよくなさそうだった。
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photograph by KYODO