「まるで、転校生の気分だよ」
この夏、ドウェイン・ウェイドはプロ入りから13シーズンを過ごしたマイアミ・ヒートを離れ、故郷シカゴの、子供のころから憧れていたブルズに移籍した。34歳にしての新天地だ。
もっとも、この“転校生”は新しい環境に馴染むのに、それほど苦労することもなさそうだ。生まれ育ったシカゴのことは知り尽くしているし、「コートの上では同じバスケットボール」だからだ。
ヒートにいる間に、あらゆる経験をしてきたことも大きい。エースとしてチームを率いたこともあれば、サポート役に回ったこともある。3度優勝を達成した一方で、プレイオフにすら出られない低迷シーズンもあった。勝てない苦しみから、優勝したときの達成感まで知っている。何よりも、その間の過程が一朝一夕ではいかないことをよく理解している。1つのチームにいながら、これだけ幅の広い経験をし、その中で常に活躍してきた選手は多くない。どんな環境でも適応できると自負するのも当然だ。
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