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「選手と酒席」の禁を破る、40歳、佐々木基樹の復帰。~なぜ人は「ボクシング中毒」にかかるのか~

2016/02/29

 昔、先輩の評論家から忠告された。

「現役ボクサーと酒を飲むのはやめておけ。付き合うのは引退してからにしろ」と。もしその選手が負けたりすると、ジムから「うちの選手をつぶされた」とあらぬ責任を追及されるというのである。また、ボクサーには好漢が多く、付き合ってしまうとつい筆先が鈍り、評論しづらくなるからともいうのである。

 この忠告を戒めとし長年守ってきたつもりでいたが、今回図らずもそれを破るハメになった。私のせいではない。

 引退した元チャンピオンに、慰労も兼ねて酒席を用意したことがあった。彼は終電を逸するほど飲み、酩酊していた。それが、あろうことか、今になってその男が再びリングに立っていたのである。

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photograph by BOXING BEAT

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