いつもとは違う西川周作がいた。
所属先が決まらず、代表に招集されなかった川島永嗣に代わって先発のチャンスを掴んだW杯予選のカンボジア戦、アフガニスタン戦。守備の集中を味方が切らさないよう、絶えず彼の大声が響いていた。ときに味方を叱り飛ばす声。無失点は最低限のノルマとしても、一分の隙すら許さない雰囲気があった。
西川のモットーは「笑顔」。常に冷静沈着で味方に安心感を与え、声と言っても周りを鼓舞するものが多かったと思う。しかしこの2連戦は明らかに別人の顔だった。アフガニスタン戦ではキャッチしたFKのボールをそのまま前に送ろうとした際、相手に腕を掴まれると激しく腕を振り払い、怒りのジェスチャーを示す場面もあった。闘う姿勢というものを内に収めず、敢えて表に出していった。
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by Takuya Sugiyama