初めて緑色の毒霧が宙に散るのを見たとき、小学生だった僕はこう思った。「あれは何だ! やってみたいっ」。
ザ・グレート・カブキの自伝は、激動の半生を丹念に追う力作。日プロ、全日本、SWS、WAR、新日本、そしてアメリカと旅するプロレスラーは日々さすらう。所属団体の消滅や合併などプロレス界の大きなうねりに巻き込まれながら、いつも飄々と新しい道を見つけるザ・グレート・カブキ。最初に渡米した1970年には、子供向けのアニメで英語の勉強をし、米国の運転免許も取得。以前に浅草で買った法被を羽織って入場し、人気ヒールレスラーは誕生した。
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photograph by Wataru Sato