オリンピックのメダル、それは強靭なメンタルの持ち主だけが辿り着ける場所だと思っていた。この五輪の一番輝く色のメダルの呪縛で、心までズタズタになってしまった選手がいた。ロンドン五輪の銀、銅メダリスト入江陵介さんだ。
先日行なわれた水泳日本選手権で萩野公介選手を破り、今季世界ランク1位(当時)のタイムで100m、200m背泳ぎを制した入江さんを訪ねた。
「自分自身に期待していたので、すごい記録が出るって確信がありました」
これが、少し前に「自分は真ん中に立てない人間」と口にした選手の言葉なのか。この変わりように僕は嬉しくなった。と同時に挫折から這い上がってきたアスリートが過ごした時間に思いを馳せた。
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photograph by AFLO