GPファイナル、ソチ五輪、世界選手権全てを制し、史上2人目の3冠を達成した羽生結弦選手。この偉業を達成した直後に話を聞くことができた。僕は改めて、自身を冷静に分析できる彼の能力に驚かされた。
実は羽生さん、ソチ五輪直後には少しバーンアウト状態になっていたという。日本人初の金メダルを決めた直後、インタビューエリアで羽生さんが僕につぶやいた言葉が、忘れられなかった。
「オリンピックには魔物がいました」
魔物の存在を感じるのは大抵の場合敗者である。フリーでミスを犯した、いや、そういう風に追い詰められたことが悔しかったのだろう。埼玉で行なわれた3月の世界選手権は“とにかく勝ちたい”と考えていた。
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photograph by Asami Enomoto