日本水泳選手権は、昨年に続いて萩野公介(東洋大2年)の6冠挑戦が最大の話題だった。しかし最終的には個人メドレーと自由形の4冠で終わった。昨年の5冠より優勝は一つ減った形だ。日本選手権史上、初の6冠挑戦として話題となった昨年に比べると、今年の報道は、それほど大々的なものではなかったように思う。
だが記録の内容を見ていくと、昨年の5冠より、今年の4冠を含む6種目の結果のほうが、ずっと価値の高いものであることが分かる。その点をじっくりと見ていこう。
●萩野公介 日本水泳選手権6冠挑戦 昨年と今年の比較
種目 | 年度 | 順位 | タイム | 世界水泳 相当順位 |
200m自由形 | '13 '14 |
(1) (1) |
1分46秒28 1分45秒89 |
5位 |
400m自由形 | '13 '14 |
(1) (1) |
3分45秒42 日 3分43秒90 |
銀 |
100m背泳ぎ | '13 '14 |
(1) (2) |
53秒10 53秒08 |
銀 |
200m背泳ぎ | '13 '14 |
(2) (2) |
1分56秒11 1分54秒23 |
銀 |
200m個人M | '13 '14 |
(1) (1) |
1分55秒74 日 1分55秒38 |
銀 |
400m個人M | '13 '14 |
(1) (1) |
日 4分07秒61 4分07秒88 |
金 |
※太字は自己ベスト。日=日本新記録。「世界水泳相当順位」は'14年の記録を'13年の世界水泳にあてはめた場合の順位。
昨年は5冠を獲得したものの、200m自由形と400m自由形のタイムは、そのまま世界大会でメダルに届くレベルではなかった。実際、昨夏の世界選手権で400m自由形の銀メダルを獲得した時は、日本選手権での記録を0秒60更新したうえで獲っている。しかし今年は違う。自由形の2種目とも自己ベストを更新して、400m自由形の3分43秒90は、このまま世界大会でメダルを狙えるタイムになっている。200m自由形も、昨年の世界選手権の銅メダル、ダニラ・イゾトフ(ロシア)のタイムとはわずかに0秒30差。こちらもワールドクラスのタイムに近づいている。
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photograph by Yusuke Nakanishi/AFLO SPORT