「ノックアウトは狙うな」とよくいう。ダウンを奪ったボクサーが大振りになってミスを繰り返し、トドメを刺し損ねる試合がリングの上では繰り返されている。「狙うな」とは相手を倒そうと意識しすぎて自分のボクシングを見失わないようにとの、戒めのようなものだ。“ノックアウト・ダイナマイト”の異名を持つ内山高志は、いつも「KOは狙いませんが、結果としてそうなればいい」と言いながらKOを重ねている。
だが、いま最も輝いているもう1人のKOキング・山中慎介は、狙ってKOを奪える稀有なパンチャーだ。8月12日のWBC世界バンタム級王座4度目の防衛戦でも、試合前から「KOを狙う」と公言。実際、プエルトリコからやってきたホセ・ニエベスをわずか160秒でKOしてみせた。
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by BOXING BEAT