美しい覆面はレスラーを神秘のオーラで包み込む。職人の工房でミシンを操っていたのは……。
プロレス中継が金曜夜8時の王者だった'80年代。ちびっこたちのお目当ては猪木よりも、タイガーマスクだった。超絶的な空中殺法もすごかったが、やはりかっこいいマスクが男の子の心を鷲掴みにしたのだろう。
プロレスがスポーツ界のすみっこに追いやられて久しいが、マスクには今でも根強い需要がある。現役のプロレスラーであり、国内屈指のマスク職人でもあるミステル・カカオさんのもとに訪れるのは、プロレスマニアだけでなく、結婚式などのお祝いの席でかぶりたいという一般客も少なくないらしい。
「プロレスファンでなくても、マスクをかぶってみたいという人は案外多いんじゃないかなあ。ウチの店の前を偶然通りかかって、衝動買いしていったお客さんもいますし。変身願望というのは誰にでもあるんでしょうね」
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photograph by photographs by Satoshi Ashibe