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リオへの第1R。 ~世界水泳で見えた可能性~

2013/08/09
4月の日本選手権で史上初の5冠を達成して世界水泳に挑んだ萩野。「複数種目でのメダル」を目標に掲げたが、銀メダルふたつという結果に終わった。

 世界水泳選手権は、8月4日に幕を閉じた。

 オリンピック翌年の大会は、若い選手の台頭が期待され、世界的に新鮮な顔ぶれが躍動する。

 競泳の日本代表は31人。この中で、ロンドン五輪のメダリストと、4月の日本選手権で日本水泳連盟の派遣標準記録を突破した選手は別表の12人だ。個人種目では、やはりこの12人が注目選手だった。別表は7月15日時点での、日本勢の世界ランキング。基本的には、このランキングで3位以内に入っていれば今大会のメダル候補だったと言える。

●世界水泳・主な日本代表 2013年世界ランキング
  選手名 年齢 種目 タイム 世界選手権
男子 萩野公介 18歳 200自(8) 1分46秒28 1分45秒94 [5]
400自(3) 3分45秒42 3分44秒82 [2]
100背(2) 53秒10 53秒93 [7]
200背(2) 1分55秒12 1分55秒43 [5]
200個(2) 1分55秒74 1分56秒29 [2]
400個(1) 4分7秒61 4分10秒77 [5]
入江陵介 23歳 100背(5) 53秒33 53秒29 [4]
200背(1) 1分54秒72 1分55秒07 [4]
 立石諒 24歳 200平(20) 2分11秒69 2分10秒28 [8]
 山口観弘 18歳 200平(6) 2分9秒31 2分9秒57 [7]
 松田丈志 29歳 200バ(12) 1分56秒26 1分56秒42 [11]
 小堀勇氣 19歳 200バ(4) 1分55秒51 1分56秒15 [9]
瀬戸大也 19歳 200個(9) 1分58秒14 1分58秒45 [7]
400個(3) 4分10秒90 4分8秒69 [1]
女子 寺川綾 28歳 100背(2) 58秒84 59秒23 [3]
鈴木聡美 22歳 100平(12) 1分7秒43 1分7秒83 [12]
200平(8) 2分24秒80 2分25秒77 [11]
 金藤理絵 24歳 200平(2) 2分23秒11 2分22秒96 [4]
 星奈津美 22歳 200バ(2) 2分6秒12 2分6秒09 [4]
 大塚美優 19歳 400個(8) 4分36秒87 4分39秒21 [8]
※ オリンピック種目ではない自由形以外の50mは除外。
( )内の数字は7月15日時点での世界ランキング。[ ] 内の数字は世界選手権での順位。

今回の日本代表は過去の世界選手権と選考過程が異なっていた。

 ただ、今回の日本代表は、過去の世界選手権とは選考の過程が少し異なっていた。ロンドン五輪のメダリストは、日本選手権の前から代表に内定していたのである。つまり萩野公介、入江陵介、立石諒、松田丈志、寺川綾、鈴木聡美、星奈津美の7人は、日本選手権で「派遣標準記録を切って2位以内」という通常の代表選考条件を満たす必要がなかった4月にピークに持っていく必要がなかったわけだ。実際、男子では平泳ぎの立石(200m銅)、バタフライの松田(200m銅)、女子でも平泳ぎの鈴木(100m銅、200m銀)は、世界ランキングを見ると立石が20位、松田が12位、鈴木が12位と8位といった順位だった。ロンドン五輪のメダリストは、世界選手権でピークに持っていく前提で選ばれていたわけだ。

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photograph by JMPA

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