その瞬間、ヤンキースタジアムがどよめいた。地区シリーズ「ヤンキース対オリオールズ」の第3戦。9回裏、1点差を追い掛けるヤンキースは、3番アレックス・ロドリゲスに代打を送った。そこまで不振続きで地元ファンからもブーイングを浴びせられていたとはいえ、現役最多の通算647本塁打を放ってきた看板選手。一歩間違えれば、今後の戦いだけでなく、チームが崩壊しかねない。ジョー・ジラルディ監督の大胆な采配は、大きなリスクと背中合わせだった。
「難しい決断だった。ただ、勝つためには何をすべきか。自分の思う通りにするべきだと、心が訴えていたんだ」
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photograph by Yukihito Taguchi