「まだ本調子じゃないけど、不安は全然ないですね」
ホラニ龍コリニアシは、浅黒い肌に光る汗を心地よさそうに拭った。
8月17日、太田市で行なわれたパナソニックとトヨタ自動車のプレシーズンマッチ。隣町の館林市では最高気温38度を記録した酷暑の中の試合で、ホラニは最初の40分間NO8でプレー。24対14の快勝にチームを導いた。何しろホラニの出場した最初の40分間は19対0の完勝ペースだったのだ。
「彼が入ると全然違う。アタックでもディフェンスでも粘り強いし、何でもできる」。中嶋則文監督は舌を巻いた。
ホラニは昨年9月、W杯初戦のフランス戦で開始直後に右膝を負傷。それでも「4年間準備してきたW杯なのに、たった10分で終わりたくなかった」とプレーを続けたが、前半35分で交代。試合後に診察すると、前十字靱帯が切れていた。そのままNZで靱帯再建の手術を受け、NZでリハビリし、W杯決勝の当日、10月23日に日本へ戻った。
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photograph by Nobuhiko Otomo