「すべては土俵の下に埋まっているんだ」――かつての角界の先達たちの言葉が、ふと脳裏をよぎる。
八百長問題を受けて3月の春場所を中止、5月夏場所は無料の技量審査場所として開催し、NHKによる中継もなかった昨年の大相撲界。混乱を極めた2011年度の決算で、相撲協会は49億円近い赤字を計上することに。2場所分の本場所チケット収益と放映権料の収入がないうえ、中止となった巡業の勧進元や、チケットを扱う相撲案内所(相撲茶屋)に対しての補償、八百長問題の調査費用などの出費も嵩んだためだ。
資産額は約376億円に目減りし、協会事務方の責任者は、「今後もボディブローのようにジワジワと効いて来るだろう」と不安そうに顔をしかめた。北の湖新理事長も、「厳しい状況に置かれているのは承知している。一層の土俵の充実に努めたい」と現状を重く受け止めている。
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photograph by KYODO