ITとボランティア精神が米ツアーの進化を加速する。

　日本ツアーでも石川遼に限った1打速報を行っているサイトもあるが、これだけでも骨の折れる仕事だろう。

「普通の試合でも100人以上のボランティアが働いているんだ。選手の組について歩くのが60、70人。あとは定点観測する人たち。コストまでは分からないけど、彼らの助けなしでは『ShotLink』は成り立たないね」

　2台あるツアーバンは会場を交互に転戦し、1台が会場で稼働しているうちに、もう1台は次の会場に先回りして準備を進めているのだという。スケール感のある発想力を広く根づいたボランティア精神が支える米国らしいシステムといえるだろう。

　タイガー・ウッズの低迷に加えてメジャーやWGCでは欧州勢の活躍が目立ち、欧州ツアーにやや押され気味な感のある米ツアーだが、このあたりのインフラの充実度はやはり世界No.1。日本で「ShotTracker」を眺める我々としては、あとは石川を始めとした日本勢がもう少し頑張ってくれるのを願うだけなのだが……。