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米ツアーでの石川遼の一挙手一投足を
日本からつぶさに観察する方法とは? 

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雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

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photograph byKeigo Amemiya

posted2011/03/04 10:30

米ツアーでの石川遼の一挙手一投足を日本からつぶさに観察する方法とは?<Number Web> photograph by Keigo Amemiya

全米ツアーの大会プレスルームにて。巨大なスクリーンにはライブスコアが表示され、手元のノートPCを使って個々のプレーをあらゆる角度から分析できるデータを閲覧できる

ネットでプレーデータを全部見られる「ShotTracker」。

 '01年から稼働しているこのシステムについて、米ツアーの担当者はこう言って胸を張る。

「『ShotLink』はファン、プレーヤー、メディア、スポンサー、そしてツアー、すべての人のためのものなんだ。メジャーのような大きな試合であれば細かなスタッツも出てくるけど、普通のトーナメントでもそれが分かるようにしたかった。昔は各ホールが終わってからスコアが更新されていたけど、今はプレーが終われば毎ショットすぐに情報が新しくなる。これがあれば今まで以上に試合を楽しめるようになるだろう?」

 この「ShotLink」の簡易版となるのが米ツアーの公式サイト上で公開されている「ShotTracker」だ。以前は「TOURCast」という有料サービスだったものが改良され、'08年から誰でもアクセスできるようになった。日本にいながらにして米ツアーを楽しむのにはこれが非常に役に立つ。

 簡易版とはいえアップされている情報量は恐ろしく充実していて、全選手のプレー状況がリアルタイムで一覧できるほか、特定の選手のプレーをつぶさに見たければホールイラストに飛球線が表示された詳細図を見ることもできる。

「タイガーがあらぬ方向にティーショットを曲げたな」とか「遼くんは2オン狙いでグリーン手前のバンカーにつかまったな」なんてことも一目瞭然なのだ。

従来のネット速報を越える最新のデータ配信システム。

 多くのツアーが提供しているライブスコアだけでは、選手が何打目でどんなショットを打とうとしているかまでは分からない。スコアが動いたのを見て一喜一憂するだけだ。

 しかし、「ShotTracker」があれば5mのバーディーパットの緊張感を共有できる。テレビには映らない石川遼であっても、ロープの外から眺めているようなライブ感で追いかけることができるのである。

 以前はIBMが行っていた技術的なサポートは、現在CDWというIT企業が引き継いで担当しており、ツアーの会場には「ShotLink powered by CDW」と書かれた巨大なバンが停留している。この中に常駐する10人以上のスタッフがコースのいたるところから集まる莫大な量の情報を管理している。

 野球やサッカーなどネットでのスポーツ速報は進化の一途をたどっている。しかし、18ホールのいたるところでアットランダムにプレーが行われるゴルフトーナメントをカバーするのは大変な労力である。

【次ページ】 ITとボランティア精神が米ツアーの進化を加速する。

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