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スポーツ・インテリジェンス原論BACK NUMBER
「それが去年までとの違いです」全日本大学駅伝で衝撃の《日本人最高タイム》…早大“山の名探偵”はナゼ「世代トップ級じゃなかった」のに覚醒できた?
text by

生島淳Jun Ikushima
photograph byYuki Suenaga
posted2026/11/04 11:05
早大16年ぶりとなる全日本大学駅伝制覇に貢献した4年生の工藤慎作。今季はこれまでより一段上回る実力を見せているが、その秘密やいかに
それでも、工藤は中盤までは余裕を持った展開で集団につき、最終的には2時間07分34秒を出してマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の出場権を獲得したのである。
「途中から脚が攣り気味になって、ペースダウンせざるを得ませんでした。脚には来ていましたけど、心肺は余裕だったので、ちょっともったいなかったです」
とレース後に振り返っていたが、ここでMGCの出場権を手にしたことで、4年目の強化方針が定まった。
覚醒のウラにあった「マラソン練習の継続」
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2026年はトラックレースではなく、厚底シューズを履いてロードでの能力をアップさせる。そのため、海外にも積極的に転戦し、オーストラリア、ボストンなどで走った。こうした経験の積み重ねが8区後半の快走につながった。
「今回、12kmから立て直すことが出来たのも、山の練習をしているからじゃなく、マラソン練習を継続出来ているからだと思います」
これぞ花田勝彦監督が目指してきた「圧倒的な個」の表現形態のひとつではないか。
集団で練習するのではなく、工藤のようにマラソンを意識したプロセスのなかで駅伝を位置づける。
工藤だけではない。
たとえば、日本選手権の5000mで4位入賞し、今回の全日本では5区で区間新を樹立し、優勝の確率を高めた鈴木琉胤は、「学業と海外遠征を両立するのは難しいです」と話し、1、2年の間は単位を取ることを優先させつつ、競技者としての土台を作ることを徹底しているという。そしてその先、4年生の時に迎えるロサンゼルス・オリンピック出場を狙っているはずだ。

