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「炊飯ジャーだけは本当に…」“直メジャー”の先輩・多田野数人(元インディアンス)が横浜高・織田翔希にエール「通訳はつけないほうがいい」
text by

近藤裕介Yusuke Kondo
photograph byTatsuo Harada/JIJI PRESS
posted2026/10/31 11:02
大学卒業後のドラフト会議で指名漏れを喫した後、MLBインディアンスでプレーした多田野数人氏(左)、「メジャー挑戦」を表明したが巨人からドラフト1位指名を受けた横浜高の織田翔希投手(右)
「横浜高校の織田投手のことは、もちろん見ていましたよ。いろいろ言われますけど、高卒でアメリカに行く度胸って、やっぱりすごい。普通はなかなかできない決断だと思います。私なんて、大学の寮が埼玉で、地元の東京を離れるだけでも嫌でしたから(笑)。織田投手は球のスピードで注目されていますけど、私はスピードが速いことが良いピッチャーの条件ではないと思う。織田投手は投球術と、崩れた時の修正能力にまだ伸びしろがあると思います。頑張ってほしいですね」
「ボールが石だろうと合わせなきゃいけない立場だった」
織田は先日の会見で、早期の米挑戦を決めた理由の一つに、英語力向上を挙げていた。多田野も賛同しつつ、経験をふまえて「通訳なし」を勧めた。
「やっぱり英語はしゃべれた方が、将来プラスになると思う。もし最初にお金をたくさんもらったら、通訳をつけたくなると思うんですけど、通訳がついたら当然、英語の向上速度は遅くなるので、つけない選択もありだと思います。私は一人でポンと放りこまれて、英語のシャワーを浴びながらやっていたら、勝手に上達しました。アメリカでは、英語が話せなくても一生懸命何かをやろうと行動する人に対して、手を差し伸べてくれることが多い。何か本当に前向きに努力しているという姿があれば、助けてくれる。私は最初、マイナーの時、移動の手段がなかった。それでも『俺の車、乗っていけよ』と近くの選手が誘ってくれたりして、本当に助かりました」
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日米のボールの違いに対しては、“逆転の発想”が有効だと説く。
「みんな、アメリカはボールが滑ると言うじゃないですか。あれ、滑ると思ってボールを強く握ってしまっているからだと思うんです。雪道を歩くのと一緒で、力んじゃうと逆に滑る。力を抜いて歩くと、実は普通に歩けたりする。それと一緒なんです。逆転の発想で、力を抜いて投げてみてほしいです。まあ、私なんかはもう、ボールが石だろうと何だろうとそれに合わせなきゃいけない立場だったので、がむしゃらでしたけどね」
「人って、攻撃するときはリンチみたいに攻撃してくる」
異国で本来の力を発揮するには、食事も大切だ。多田野は自身が過酷なマイナーの環境で戦っていたころを振り返り、「炊飯ジャー」の重要性を力説した。


