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甲子園の風BACK NUMBER
「プロ野球より医者を目指したら?」の声も…“外科医志望のドラフト候補”は指名漏れ、記者に明かしていた進路の話「深夜2時まで受験勉強」
text by

曹宇鉉Uhyon Cho
photograph byUhyon Cho
posted2026/10/28 06:01
インタビューに応じた県立千葉・加賀谷一
プロ野球はどこまでもシビアな実力勝負の世界だ。NPBが発表している「2025年戦力外/現役引退選手の進路調査結果」によると、平均在籍年数は6.8年。2024年の同調査では6.3年だった。下位や育成での指名であれば、収入や長期的な生活の安定という面から、医師への道を選んだほうがいいのでは、という考えも浮かぶ。
ネットに掲載された加賀谷の記事に対しても「医師を目指すべき」といった反応が散見された。加賀谷自身もおそらくはそういった声を見聞きしているだろう。率直にどう思うかを尋ねてみた。
「たまに見ますけど……。自分はやりたいことをやるだけなので。何をいわれてもあまり意識はしないですね」
ドラフト直前も深夜2時まで受験勉強
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指名される可能性が低いことも十分に理解している。10月15日に取材した時点で、球団からの調査書は届いていなかった。仮に指名があったとしても、現実的に育成ドラフトだろうというのが本人の見立てだった。
「育成契約にも抵抗感はまったくないです。入ったところで努力できればいいと思っています。そもそも、支配下で指名されるような実力がいまの自分にはないので。なんていうんですかね……。プロが一番いきたいところという思いで志望届を出して、出してはみたけれど確率は低いから勉強はしておこう、と。いまはほぼ勉強だけですけど、比重の大きさは可能性に比例している感じです」
そんなに特別なことじゃないんです、といいたげな口ぶりだった。ここで確信した。加賀谷のプロ志望届は単なる“記念受験”ではない。本気でリスクを取る覚悟がなければ、利に聡いはずの進学校の生徒が「育成でもいい」とは口にできない。
そもそも医師への道も美しく舗装されているわけではない。加賀谷が第一志望としてあげたのは千葉大の医学部だった。入試の難易度は極めて高い。
学校の授業が終わったあとは予備校に通う。17時から22時まで勉強し、日によっては帰宅後も午前2時ごろまで自習する。それでも「まだ履修できていない範囲もあります」と加賀谷は話す。

