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甲子園の風BACK NUMBER
「ドラフト中継は見ない。予備校にいるので」偏差値70“医者志望のプロ注目左腕”が語っていた本音…なぜ千葉No.1公立進学校からドラフト候補が生まれたか
posted2026/10/28 06:00
今年、「医師志望のドラフト候補」として注目された県立千葉高校の加賀谷一
text by

曹宇鉉Uhyon Cho
photograph by
Uhyon Cho
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いや、現実的に考えちゃうので、あんまり楽しみって気持ちはないですね。
ドラフト会議を1週間後に控えた10月15日、県立千葉高校の加賀谷一は「楽しみですか?」という何気ない質問にそう答えた。謙遜というよりも、すでに諦めがついているような口ぶりだった。
「ドラフト中継は見ないです」
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「ドラフトの中継は見ないです。その時間、予備校の自習室にいるので」
昼休みだった。即席のインタビュースペースになった空き教室に現れた加賀谷は、折り目正しい所作で「こんにちは」と会釈した。身長は174cm、体重は75kg。スクールシャツを着ていても、運動神経がよさそうな体つきだと感じさせる。とはいえ、プロ野球選手やアマチュアエリートたちのゴツゴツとした肉体の迫力と比べると、やや線が細い印象も受けた。言葉を選ばずにいえば、少年らしさを残した、ごく普通の高校生にも見えた。
頭脳明晰であることは疑いようがない。かぎられた勉強時間を大切にしたいのも十分に理解できる。だとしても、自分の運命を決めるドラフトを「見ない」ということが、本当にありうるのだろうか。
千葉No.1公立進学校にドラフト候補がいた
偏差値70を超える千葉の公立校の野球部員がプロ志望届を提出した。どうやら国公立大学の医学部への進学とプロ野球の両睨みらしい。9月以降、そんなニュースが野球ファンの間で話題になっていた。高校生の名前は加賀谷一。最速144kmのサウスポー。たしかに読者の興味を惹きそうなテーマだと、安直にそう思った。
千葉高は小高い丘の上にあった。千葉師範学校構内に千葉中学校として創立したのが1878年のこと。以来、全国でも指折りの伝統校、そして進学校として、多くの著名人を輩出している。
年季の入った校舎を囲む木々が風に吹かれてさざめいている。取材を申し込んでいた旨を受付で伝えると、地歴公民科の教諭でもある野球部の黒川健太監督が出迎えてくれた。成東高から千葉大へ進み、学業と並行して野球に打ち込んだ。千葉高に赴任して8年目になる。


