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「ドラフト中継は見ない。予備校にいるので」偏差値70“医者志望のプロ注目左腕”が語っていた本音…なぜ千葉No.1公立進学校からドラフト候補が生まれたか 

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曹宇鉉

曹宇鉉Uhyon Cho

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posted2026/10/28 06:00

「ドラフト中継は見ない。予備校にいるので」偏差値70“医者志望のプロ注目左腕”が語っていた本音…なぜ千葉No.1公立進学校からドラフト候補が生まれたか<Number Web> photograph by Uhyon Cho

今年、「医師志望のドラフト候補」として注目された県立千葉高校の加賀谷一

「初心者もいる」「同学年の部員5人」野球部の内情

 黒川監督がグラウンドを案内してくれた。サッカー部やラグビー部と共有する土のグラウンド。レフトからセンターにかけては「外野」といえるほどのスペースはない。一塁側に緑色のバッティングケージが置かれている。

「公立なので、設備にそれほど予算はかけられません。ただOBの方々がすごく協力的で、ケージの導入にも尽力していただきました。まずは県ベスト16を目指して、できることからコツコツとやっています」

 選手の数は2年生が8人、1年生が12人。加賀谷の代にあたる3年生は5人だった。なかには高校から野球部に入った初心者もいる。平日の練習は週4日、放課後の2時間から2時間半にかぎられる。強豪校とは明らかに異なる「進学校の野球部」の現実だ。候補とはいえ、ドラフトにかかってもおかしくないレベルの選手が生まれることにまず新鮮な驚きがある。

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「体育会系っぽい上下関係はほぼないですね。先輩も後輩もみんな友だちみたいな感じで。練習そのものは、けっこうしんどいと思いますよ」

 そういった環境から、なぜ加賀谷のような選手が出てきたのだろうか。

「もともと、入ってきたときから130kmくらいは投げられたんです。でも最初はそれほど真剣じゃなかった。本人も話していますけど、仲間に触発されたんでしょうね。だんだんと勉強も野球も真剣に取り組むようになりました。2年の夏に140kmが出て、12月には千葉県選抜の台湾遠征メンバーにも選ばれた。レベルの高いところにチャレンジすることを本人も望んでいたので、それならプロを目指すような選手にならないとね、という話はしていました」

ドラフト候補×医師志望で話題に…

 3年春、加賀谷の球速は142kmまで伸び、春季大会の磯辺高戦で1試合20奪三振をマークした。しかし最後の夏は2回戦で市松戸高に1対5で敗れている。被安打4に抑えながらも7四死球とコントロールが乱れ、微妙な判定のホームスチールや、打ち取った当たりの内野安打などで得点を許した。一方で最高球速は144kmに達し8奪三振、試合終盤にも140kmの直球を投げ込んでいる。

 公立の進学校で奮闘するエースの話――ここまでなら、さほど耳目を集めることはなかっただろう。だが加賀谷はプロ野球志望届を提出し、同時に医師を目指していることも公言した。今も昔もメディアは文武両道の逸材が好きだ。そうして律儀に取材に応えるうち、一般的なドラフト候補とは異なる文脈で、加賀谷は注目選手のひとりにあげられるようになった。

【次ページ】 「今年は勉強が勝ってますね」

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