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「かわいそうっていうか」錦織圭がかつて漏らした“孤独”…コートを去る第一人者がひとり背負った「重さ」とそれでも失わなかった「軽やかさ」 

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山口奈緒美

山口奈緒美Naomi Yamaguchi

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photograph byYuki Suenaga

posted2026/10/20 06:20

「かわいそうっていうか」錦織圭がかつて漏らした“孤独”…コートを去る第一人者がひとり背負った「重さ」とそれでも失わなかった「軽やかさ」<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

F・ティアフォーとの現役ラストマッチでの錦織。世界最高のバックハンドをはじめ随所にキレのあるショットも見せたが、敗れて試合内容を悔しがった

 セレモニーには、元世界ランキング2位で錦織のコーチを2014年から10年以上務めたマイケル・チャン氏も招かれ、惜別の言葉を贈った。

「ケイは成功のために不可欠である努力から決して逃げなかった。キャリアを通じて直面した困難に屈することも断じてなかった。不平を言わず、ただ忍耐強くやり抜いた。彼のファイナルセットでの手強さは、まさにその粘り強さと精神力そのものだった」

 チャン氏が言及したように、錦織がよく称えられるスタッツとして「最終セットでの勝率」がある。キャリアを通した勝率は最終的には73.2%で現時点では歴代6位の記録だが、それでもロジャー・フェデラーやラファエル・ナダルをしのぐ。歴代トップを誇っていた時期もあった。ただ、このスタッツにも別の見方がある。

ビッグ4の最終セット勝率が高くない理由

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 フェデラーは『ビッグ4』の全盛時代、この勝率が意外に高くないことを指摘されてこう弁明したことがある。

「そもそも僕はファイナルセットまでいった試合が多くない。ファイナルセットを戦った相手はいつも強力なライバルたちだから、勝率だとそういう結果になるのはしかたがない」

 グランドスラムだけで言えば、フェデラーは勝ち試合の約12分の1がファイナルセットの勝利だが、錦織は約4分の1。ちなみにナダルは約13分の1である。ファンは胸がヒリヒリするような勝負の最終局面が好きだ。そういう意味でも錦織は記憶に残る試合を多く残したが、1試合で大量のエネルギーを要することで、その先に訪れる最強の面々との大一番で時に疲弊のピークを迎えなくてはならなかった。

【次ページ】 マレーに感じた共感

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