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テニスPRESSBACK NUMBER
「ついてくる選手が少なかった悲しさはある」錦織圭以後トップ10のアジア系選手が皆無という現実…引退後も錦織に寄せられ続ける「期待」とは
posted2026/10/20 06:21
真剣勝負の場を去ってなお、錦織に寄せられる様々な期待とはいったい?
text by

山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph by
Yuki Suenaga
自分に足りなかったと思うものを、一つだけ挙げるとしたら——?
ジャパンオープンで現役最後の試合を終えた錦織は、記者会見の最後に投げかけられた質問に、ほとんど時間をかけずに答えを出した。
「あと5cmくらい身長が高かったら……」
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5cmというのはかなり控えめな願望で、しかもその後に冗談めかして付け加えた、「身長180以下の選手は2~3歩前からサーブする」という新ルールの提言からもわかるように、プラス5cmはサーブのときだけでいいのだ。
もしテニスがサーブをしなくていい競技だったら……
以前、元世界1位のマッツ・ビランデルが、「テニスが球出しから始まる競技だったなら、ニシコリはとっくにグランドスラム・チャンピオンになっている」と断言したことがある。サーブだけはどうにもならないハンデを背負っていた錦織だが、その代わりに瞬発力とコントロール力で世界屈指のリターナーとして鳴らし、男子テニス史上最強の時代に最高世界4位に食い込んだ。
だからこそ、錦織に憧れ、希望を抱き、追いかけた子供たちは、日本のみならずアジアに大勢いたのだ。また、アジアにルーツを持つ少年の中にも。日系オーストラリア人のリンキー・ヒジカタは、2023年に全豪オープンのダブルスを制した25歳だが、身長は錦織と同じ178cm。ジュニアの頃から錦織のプレーはお手本だった。先のジャパンオープンにもダブルスで出場したヒジカタは、記者会見でニコニコしながら懸命に日本語で質問に答え、錦織についてはこう語った。
「子供の頃にケイの試合を見るのが好きでした。ゲームスタイルがエクスプローシブで(瞬発力がある)、グラウンドストロークも良くて、コート・プレゼンス(コートでの存在感)もいいと思いました。大きくない選手だから、ワタシにも、どうやってプレーするのか見えてよかったです」
しかし、錦織が示したお手本を錦織レベルで実践し、成功させる者は現れなかった。

