甲子園の風BACK NUMBER
「自分が甲子園出たかなんて、指導に関係ある?」専大松戸の老将が4校を甲子園出場させた秘訣とは「昔は乱暴も言ったけど…今は俺が一番怒らない」
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元永知宏Tomohiro Motonaga
photograph byJIJI PRESS
posted2026/10/13 06:05
4校で甲子園に出場し、現在も専大松戸を率いる名将・持丸修一は80歳近くなっても指導の試行錯誤を続けている
「コーチや部長がどんな指導をするのかをよく見ている。俺が一番、怒ることが少ないね。人間は追い詰めすぎて逃げ場がなくなるとろくなことがない。生徒たちもそれぞれに悩みや不安を抱えているから」
野球では無名校だった藤代を2度の甲子園に導いた持丸が茨城にある私立の強豪、常総学院に監督として迎えられたのは54歳の時だった。
「俺は55歳になったら教員は辞めようと思っていた。甲子園に行ったりすると、ほかの先生に授業を代わってもらわなくちゃいけないのが申し訳なくてね。そういうタイミングで『常総の監督をやってくれ』という話が来た」
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常総学院の監督に就任する時、持丸は教壇から離れた。
甲子園に行ける秘訣は……
常総学院では3度甲子園に出場。2007(平成19)年12月に専大松戸の監督に就任し、2015年夏の甲子園に初出場、2021(令和3)年夏の甲子園で甲子園初勝利を挙げた。
2026年春のセンバツでは北照(北海道)、九州国際大付(福岡)を下して、初めてのベスト4進出を果たした。
「甲子園に行けるのは監督に指導力があるからだとまわりから言われても、そういうのはあんまり信用してないんだよ、俺。甲子園で何回勝ったか、知らないもん。
甲子園に行ける秘訣? 甲子園に行けそうなムードの選手っているんだよね。星を持っているというのか。そういう選手が何人いるかじゃないかな。いつもそう思っているんだよ」
私立の強豪校では選手にかかるプレッシャーは大きい。
「コーチや監督が何か言うと生徒は『はい! はい!』と反射的に答えるけど、どれだけ理解しているのかは怪しい。そういう関係性が生徒の工夫とか『こうしたら面白そう』というのをなくしているような気がするね」
持丸が怒るのは、結果に対してではなかった。
「打った・打たないで怒ることはない。『打て』というサインを出してバットを振らない時とか、盗塁なのに走らない時だね。怒りというよりも歯がゆさがある」
アウトにできる打球を確実に処理するというのが持丸野球の基本だ。練習では徹底的に守備を鍛えあげる。

