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ベテランの証明BACK NUMBER
青学大・原晋監督「34歳はおじさん」発言に反論した納得のワケ…マラソン日本記録保持者・大迫傑35歳が今、テーマに掲げる奥深い“2文字”
text by

涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui
photograph byKanta Nakamura
posted2026/10/09 18:00
昨年、34歳でマラソン日本記録を更新した大迫傑
「練習量も練習量なので、割と食べていても体重が減っていっちゃいますね。まだレースまで期間があるので、ちょっと絞るのが早いっちゃ早い。絞りすぎないようにしないと、という感じです。ただ、ご飯はめちゃくちゃ食べているので、減らしているとかではなく自然な感じですね」
納得感を持って走りたいタイプ
練習は順調に積めているようで、表情はリラックスしていた。ケニアで練習を積んだ後は、直接シカゴに入ってレースを迎えるという。
実は、今回のインタビューは、大迫から持ちかけられたものだった。
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「《枯淡》というテーマで動画を作りたいと思っています。その経緯を自分自身も整理したいので、インタビューをしてくれませんか?」
9月中旬以降、大迫は自身のYouTubeチャンネルで《枯淡》と題した動画のシリーズを9本公開する試みをしている。それぞれの動画には「絢爛」「日損」など漢字2文字のサブテーマが設定されており、ケニア、そして東京で撮影された映像に、大迫自身の声でナレーションが付されている。
枯淡。枯れる、淡い。その単語を唐突に聞いて、「茶の湯」や「水墨画」という単語が頭に浮かんだ。なぜこれから世界最高峰のレースに挑もうという、マラソンランナーが《枯淡》なのか。
実際にインタビューをすると、その疑問が解消されるだけでなく、膝を打つような言葉を数多く耳にすることになった。ここからは一問一答形式でお送りしたい。
――《枯淡》という言葉を大迫選手が思いついたのはいつですか?
「日本にいた5月頃ですかね。僕は割と『なぜ次のマラソンを走るのか』について、自分なりにストーリーを作って、そこに入り込んで、納得感を持って走りたいタイプなんです。それが見つからずに、昨年、東京マラソンを欠場したこともありました。
今回シカゴに向けて、どういうストーリーを自分の中で組み立てるかを探していて、 若い頃に比べてスピードや勢いなど"なくなっていくもの"はあるけれど、トレーニングを重ねる中で『前年より今年の方が成果が出ている理由や原因は何だろう』というようなことを考えていたんです。
ただ、自分の語彙というか頭の中だけではうまく言葉にできなかったので、AIと壁打ち(対話)をしていく中で《枯淡》という言葉が出てきた。 それぞれ『枯れていく』『淡い』というややネガティブな意味ですが、熟語として2文字に合わさった時に生まれる『静かな強さ』『熟成』というニュアンスが、マラソンという競技において年齢とともに生まれる強さと自然に一致するなと感じました」
――テーマは普段誰かと会話をしながら見つけるのですか? 今回はAIとの壁打ちだったようですが。
「自分は自分自身で決めたことでしか進んでいけない性格なので、基本的には走りながら、あるいは終わった後に1人で活動しながら考えることが多いです。最近はAIが第三者目線でコミュニケーションを取れるツールになってきたので、かなり対話をしていますね」
――《枯淡》という言葉自体は知っていましたか?
「全然知らなかったです(笑)」
――その意味を深掘りして、理解する中で、マラソンを走る自分の「テーマ」としてしっくりきたということでしょうか?

