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「ディープインパクトの単勝に100万円」20年前の凱旋門賞で見た“異様な光景”「日本人に侵略された」現地フランスは諦めムードも…迎えた“まさかの結末”
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島田明宏Akihiro Shimada
photograph byGetty Images
posted2026/10/04 06:01
ディープインパクトが参戦した2006年の凱旋門賞。現地でも単勝1倍台の支持を集めたが、まさかの結末が待っていた
国営テレビ「ロンシャンは日本人ファンに侵略された」
2006年10月1日、日曜日。
凱旋門賞の発走予定時刻は午後5時35分だというのに、ロンシャン競馬場の正門前には、午前の早い時間から多くの日本人ファンが集まっていた。
午前11時10分、正門が開いた。
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日本人ファンが一斉に場内へ駆け込んできた。お土産と記念に取っておくためのレーシングプログラムと、いい観戦場所を確保するための「開門ダッシュ」である。
私たちにとっては見慣れた光景だったが、待ち構えていたフランスの騎馬隊にとっては「奇襲」だったようで、何頭もの馬が驚いて、前脚を上げたり、向きを変えたりしていた。
第1レースが始まる前、午後1時40分には「日本のみなさん……」と、主催者サイドから来場を歓迎する日本語の場内アナウンスが流れた。
午後2時半すぎ、第2レースに騎乗する武にマイクが向けられ、「応援してください」と日本語で言った武の声が場内に響いた。
「今年の異国情緒は例年とは違い、イギリスではなく日本からやってきた。ロンシャンは日本人ファンに侵略された」
当日、約6000人の日本人がロンシャン競馬場を訪れた様子を、国営テレビのフランス3はそう伝えた。
前年の入場者数は5万5000人で、うち2万人ほどがイギリス人だった。それに対し、この年は10%ほど多い6万400人が来場し、約1割が日本人。さらに、日本人用の投票用紙が配られたり、日本語の案内窓口が設置されたりと、ロンシャン競馬場の風景が一変した。
元プロテニス選手の松岡修造さんの姿もあった。
“100万円の単勝”を買う瞬間を見た
スタンドとパドックの間の特設テントがプレスルームとなっており、取材申請をした記者たちのデスクのほかに、ビュッフェスタイルで飲食できるスペースや、馬券が買える窓口もあった。それは例年と同じ光景だったのだが、ひとりの日本人カメラマンが、日本円にすると100万円ほどと思われるユーロの札束を手にディープインパクトの単勝を買っているのを、私はたまたま見てしまった(当時、日本で海外レースの馬券は売られていなかったので、現地で買うしかなかったのだ)。私を含め、日本人メディアは200人ほど来ていた。
主催者のフランスギャロは、ペネトロメーター(馬場の硬度計)の数値が低くなり、馬場が硬くなるとコースに水をまくことが多い。その数値が午前10時の段階で3.0にまで下がっていたのに、この日はついに散水することなく、第7レースの凱旋門賞を迎えようとしていた。馬場が硬ければ硬いほど、日本で圧倒的なパフォーマンスを見せてきたディープインパクトに有利になる。
この日は雨になると前日までの予報にはあったのだが、結局、降らなかった。


